追突
小説
追突8
- 2011/12/22 (Thu)
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あれから―街中のお洒落なネットカフェに入った時―大分時が過ぎて結局私は実家に戻ってしまいました。
帰ってすぐ気づいたことは母が父と別居をしている事実でした。父は警察官の奥さんと駆け落ちして子供も一緒に暮らしているのだそうでした。びっくりしましたね。私はてっきり父と母はずっと仲良く達者で暮らしているとばかり思ってましたから、久々に実家に帰った時に母は動揺して大声で捲くし立てながら、父の裏切りを顔を真っ赤にして詰っていました。それは、生まれて初めて聞いた母の口から出た父の悪口でした。元来、うちの母親は人の悪口をいうような人ではなく特に父の悪口など小さい頃から一度も聞いたことがなかったので正直言って驚いてしまいました。
結局、どうにかこうんか宥めてその話は終わったのですが、その後も思い出したように、イライラして父の引越し先など調べて尋ねて行くことが続いていましたね。その時私は母の女の執念を感じました。
現在は遣で働いているのですが、ある日、その派遣の帰り、駅の階段を上る時、踏鞴を踏み、思わず体がグラついてしまいました。もう少しで卒倒するとこまでいきました。少々ふらつきながらもシッカリと大地を踏みしめながら家路を辿り部屋に着くとすぐ座り込みました。
そして、その時、押入れの扉が半部以上開いていることに気づいたのです。それと共に押入れの中である異常現象が起きているのをハッキリとこの目で確認しました。それは白い普通自動車と大型ダンプが追突する光景でした。まるでスライドや映画のスクリーンのようにまざまざと押入れの中に浮かび上がったのでした。そしてそのシーンが終わるとすぐ間髪空けず次のシーンが登場しました。次のシーンは実写ではなくイラストでしたオレンジ色の黄色い出っ張りのある船が白い煙を吐きながらドンドン傾いて沈没していく光景でした。つまり転覆シーンです。その後押入れの中で見た光景と同じことは起きませんでしたが、実に不思議で妙な光景でした。
今でもその時の光景の残像はハッキリと脳裏に焼きついています。
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